前回までで SharePoint シングルサーバー環境が出来たので、今度は SharePoint ファーム環境を作るのですが、複数の SharePoint サーバーをちまちまとセットアップするのは嫌なので、sysprep による仮想マシンのディスクイメージを作成することにします。

- Windows システム イメージ マネージャー
- 応答ファイルの作成
- 応答ファイルの設定
- sysprep の実行
- 参考リソース
ついつい、私は形から入る人なので、どうせマシンイメージを複製するなら、セットアップ時の操作を無くしたいということで、応答ファイルのカスタマイズを行います。
応答ファイルの作成、カスタマイズには、「Windows システム イメージ マネージャー」が必要になります。
このツールは、Windows アセスメント & デプロイメント キット (Windows ADK) に含まれるので、まずは、こちらをダウンロードします。
・Windows 8.1 Update 用 Windows アセスメント & デプロイメント キット (Windows ADK)
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=39982
「Windows システム イメージ マネージャー」のみをインストールする場合には、ダウンロードした adksetup.exe を実行して、「Deployment Tools」だけを選択してインストールを実行します。
それから、Windows Server 2012 以降のメディアには、カタログファイル (.clg) が含まれていないようなので、予め、メディアの中の「Sources」フォルダ内にある「install.wim」をローカルディスクにコピーしておきます。
「Windows システム イメージ マネージャー」を起動すると、こちらのような画面が表示されます。

最初に、左下の「Windows イメージまたはカタログ ファイルを指定してください」を右クリックして、「Windows イメージの選択」を選択します。
「Windows イメージの選択」ダイアログで、ローカルディスクにコピーした「install.wim」を選択します。
次の「イメージの選択」ダイアログにて、目的のエディションを選択します。

私の場合、「Windows Server 2012 R2 SERVERDATACENTER」を選択しています。
最初はカタログファイルが作成されますが、作成が終わると、「Windows イメージ」のペインにコンポーネント一覧が展開されます。
次に、真ん中上の「応答ファイルを作成または開きます」を右クリックして、「新しい応答ファイル」を選択します。
その次に、「Windows イメージ」ペインにて、「Components」を展開して、以下のコンポーネントを選択して、右クリックで設定を追加を選択します。
・amd64_Microsoft-Windows-International-Core 〜
⇒ 「パス 7 oobeSystem に設定を追加」
・amd64_Microsoft-Windows-Security-SPP 〜
⇒ 「パス 3 generalize に設定を追加」
・amd64_Microsoft-Windows-Shell-Setup 〜
⇒ 「パス 4 specialize に設定を追加」
⇒ 「パス 7 oobeSystem に設定を追加」
追加した結果、「応答ファイル」ペインで、主な要素を展開した結果はこのようになります。

最初に、「3 generalize」配下の「amd64_Microsoft-Windows-Security-SPP」を選択して、右側のプロパティ ペインで、「設定」セクションの下の「SkipRearm」に「1」を設定します。

これにより、ライセンス認証クロックをリセットしないように出来ます。
次に、「4 specialize」配下の「amd64_Microsoft-Windows-Shell-Setup」を選択して、右側のプロパティ ペインで、「設定」セクションの下の「RegisteredOrganization」に登録組織名、「RegisteredOwner」に登録者、「ComputerName」に「*」、「ProductKey」に製品プロダクトキーを設定します。

「RegisteredOrganization」、「RegisteredOwner」に設定した内容はレジストリの「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion」配下に、同じ名前で設定されます。
また、「RegisteredOwner」の内容は最初から7文字目までが、「ComputerName」に「*」を設定した場合に、自動生成されるコンピュータ名に使われます。
その次に、「amd64_Microsoft-Windows-Shell-Setup」の配下の「OEMInformation」を選択して、右側のプロパティ ペインで、「設定」セクションの下の「Logo」にロゴファイル名、「Manufacturer」に製造元、「Model」にモデル名、「SupportURL」にサポート URLを設定します。

ロゴファイルには、bmp 形式で 120×120 のサイズのものを指定します。
私はモデル名に、仮想マシンイメージの内容とイメージ作成日などを埋め込んでいます。 更に、「SupportHours」や「SupportPhone」などを利用して、SharePoint のビルド番号や SharePoint の追加構成を残すようにしています。
更に次に、「7 oobeSystem」配下の「amd64_Microsoft-Windows-International-Core」を選択して、右側のプロパティ ペインで、「設定」セクションの下の「SystemLocale」に「ja-JP」、「UILanguage」に「ja-JP」、「UserLocale」に「ja-JP」を設定します。

これにより、言語として日本語が設定された状態になります。
そして、「7 oobeSystem」配下の「amd64_Microsoft-Windows-Shell-Setup」の配下の「OOBE」を選択して、右側のプロパティ ペインで、「設定」セクションの下の「HideEULAPage」に「true」を設定します。

これにより、マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項をスキップさせることが出来ます。
最後に、「amd64_Microsoft-Windows-Shell-Setup」の配下の「UserAccounts」の配下の「AdministratorPassword」を選択して、右側のプロパティ ペインで、「設定」セクションの下の「Value」に Administrator ユーザーのパスワードを設定します。

これにより、Administrator ユーザーのパスワードが設定された状態になります。
設定した内容で、応答ファイルを保存します。
仮想マシンにて、Microsoft Update にて、最新の更新プログラムの適用を行っておきます。
作成した応答ファイルを、C:\Windows\System32\sysprep にコピーします。
また、ロゴに設定するロゴファイルについては、C:\Windows/System32 フォルダにコピーします。
最後に、「コマンド プロンプト」にて、以下のコマンドを実行します。
%SystemRoot%\system32\sysprep\sysprep.exe /generalize /oobe /shutdown /unattend:%SystemRoot%\system32\sysprep\Untitled.xml
これにより、インストールイメージの一般化が行われて、自動的にシャットダウンされます。
作成した仮想マシン イメージを起動すると、何も操作することが無く、起動した状態になります。
予め設定した、Administrator ユーザーのパスワードでログインして、PC のプロパティを確認すると以下のようになります。

今回の投稿は以下のリソースを参考にしております。
非常に役立ちました。
・sysprepで環境複製用のマスタ・イメージを作成する(Windows 7/8編)
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1307/12/news062.html
・sysprep用の応答ファイルを作る(Windows 7/Server 2008 R2編)
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1111/11/news139.html
・Windows Server 2008のSysprepで使うXML形式の自動応答ファイルをWindowsOPKを使って作ってみる
http://type-y.com/2009/08/microsoft-windows-server-2008-sysprep-xml-windows-oem-preinstallation-kit-windows-system-image-manag.html
・Windows Server 2012 の SkipRearm について
https://engineermemo.wordpress.com/2012/09/18/windows-server-2012-%E3%81%AE-skiprearm-%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/
これで、仮想マシンのディスクイメージのベースが作成出来ました。 今度は、このイメージをベースに SharePoint Server 2013 のディスクイメージを作成します。 ということで、続きは、また次回ということで・・・
Kokuho Hi (Sonorite / SharePoint Technology Center)